専門の専攻を深く勉強する

大学オックスブリッジに代表されるように、長い歴史と伝統を誇るイギリスの大学は、学術研究の最高学府として世界にその名をとどろかせています。13世紀頃から高度な教育を提供してきたイギリスの大学は、真剣に学問をしたい人にとってのあこがれの国といえるでしょう。大多数の大学は総合大学として、政治・経済、法学、医療関連、応用/純粋科学、歴史学や考古学、言語学、文学や比較文化学、哲学などといったアカデミックな科目をはじめ、アート&デザインや音楽、演劇やダンスといった芸術関連の学位コースを提供しています。さらに、ビジネス、IT、旅行、観光といった職業的分野におけるスペシャリストを育成するコースも豊富に提供しています。イギリスが特に強い分野といえば、アート&デザインを始めとする芸術関係、開発学や国際関係学、環境学、平和学、海洋学、そして英語教授法などが上げられますが、科目を問わず全体に高い教育レベルを保っています。

イギリス(スコットランドの教育機関を除く)の大学の特徴は通常3年間で修了することと、ひとつの教科を専門的に勉強することです。日本の大学と比べると期間は1年少なく、また一般教養と呼ばれる教科は存在しません。これはスペシャリストを養成するイギリスならではの教育システムです。しかしながら、日本の高校生はこの教育システムにあてはまりませんので、ファンデーションコースを経ての入学になり、この場合は合計4年間になります。大学終了後には学士号を取得することができます。

イギリスの大学で取得できる学位

Degree(学士レベル)

イギリスの学部課程は医学や獣医学、薬学を除いて通常3年で終了時に学士号を取得できます。スコットランドにおいては独自の教育制度があるために期間は4年間です。学士号にはいくつかのタイプがあります。

Honours Degree
1専攻科目を深く学びます
Joint Honours Degree
2専攻科目を学びます
Combined Honours Degree
3専攻科目以上を学びます
Ordinary Degree
いくつかの科目を広く浅く学びます
Sandwich Course
通常4年で3年次に実務経験をします

コースはレクチャーシアターと呼ばれる大教室での講義、その講義をもとに少人数のグループによるセミナー、そして文献やリサーチで独自の見解を導き、プレゼンテーションやレポートで発表するコースワーク、またエッセイ形式の試験で構成されます。講義やセミナーを担当する教授や講師とは別に、パーソナル・チューターがつき、勉強に関する相談や、個人指導を受けられるイギリスならではのチュートリアル制度(少人数主導制度)があります。

Foundation Degree (準学士)

2001年より取り入れられた2年制の学位です。産業界により密接な専攻科目の高度レベルの知識習得と技術・スキルの養成を行います。修了後は就職をするか、そのまま学部の3年生に編入し、学士号を取得することも可能です。

HND – Higher National Diploma(準学士レベル)

イギリスの国家資格システムにおいて高等教育レベルの資格として認知度が高い資格です。Foundation Degreeと同じようなプログラムで導入以前はこちらのコースが主流でした。 修了後は就職するか、大学の2年次もしくは3年次に編入することができ、学位を取得できます。コースは大学だけでなく、公立カレッジでも提供されています。

アカデミックなイギリスの大学院

大学院イギリスの大学院は1年で修了することから、キャリアアップのためにイギリスを留学先に選ぶ人が増えてきました。人気のある理由としては、高水準の教育が受けられることはもちろん、日本やアメリカと比べて短期間で修士取得ができること、専門性に富んでいること、専攻数が多いこともあげられます。また日本の大学の学位を取得していなくても、ある一定の職務経験が認められれば大学院に入ることができるなど、門戸が広く、受け入れ態勢が整っているのも魅力。イギリスと日本での教育制度の違いを補うために、日本にはない学位も提供しています。さらに、大学院に直接入学するのに、英語力やバックグラウンドが足りない人のための、準備コースを提供している大学もあります。

イギリスの大学院で取得できる学位

大学院進学準備コース
Foundation Course / Bridging Programme

すべての大学で提供しているわけではありませんが、Foundation Course、Bridging Programmeと呼ばれる、留学生を対象にした大学院進学準備コースがあります。大学院へ進学したいが英語力が足りない人、大学での専攻教科とは別の科目を学びたい場合など、大学院で勉強する際に必要なアカデミック英語、スタディスキルズ、専攻の基礎を修学することができます。このコースは基本的には文系科目のコースですので、理系やアート専攻の人には適していません。また、Pre-masterと呼ばれる英語とスタディスキルに特化したコースも、準備コースとして参加可能。英語力だけでなく授業についていくテクニックも勉強できるので、留学生にぴったりのコースといえます。

ポストグラデュエイト・ディプロマ / サティフィケート
Postgraduate Diploma / Certificate

専門分野の大学院レベルのコースで、日本にはない学位。専門分野ではないため、直接修士(マスター)への入学ができない人の準備コースです。通常論文提出はなく、9ヶ月(Diploma)、6ヶ月(Certificate)で修了。また、コースによっては職業的、実践的な色合いが濃いともいわれています。

修士・講義ベース
Taught Master

一般的にTaught Programmeと呼ばれる、講義とセミナーが中心の授業形態で、少人数制のクラスでディスカッションなどの授業が充実。アメリカの大学院と比べて、アカデミックであるともいわれています。コー スは1年(12ヶ月)。試験と論文提出、もしくは制作提出をして修了となります。

修士・研究ベース
Research Master

研究ベースのコースなので、すでにその分野での研究や知識を持っていることが条件になります。多くは Taught Masterを経てからの進学となりますが、研究プログラムですので、講義はなく最終的に論文を提 出して修了。期間は2年間です。

博士課程
Ph.D

修士修了後は博士課程に進学することが可能。Ph.Dも研究ベースで期間は最低3年間。最近ではニュールート博士課程という、講義主体の新しいタイプのコー スも始まりました。

人気のある専攻、プログラム

開発学・国際関係
International Relations and Development Studies

近年日本でも、開発学や国際関連の専攻科目を設置する大学が増えていますが、留学の専攻として選ぶ人も多く、人気のある科目のひとつです。特に開発学はイギリス発祥の学問。国際機関や海外でのフィールドワークを考えている人には最適といえるでしょう。

MBA
(Master of Business Administration)

1年間で修了できること、GMAT( Graduate Management Admission Test)が必要ないことから、イギリスでMBAを取得する人が増えてきています。イギリスでMBAを行う場合は、原則的に最低2年以上の職務経験が必要ですが、大学卒業後すぐに進学できるコースもあります。
インターンシップ制度

2006年度入学者より、イギリス・イングランド地方のMaster、Ph.D修了者には1年間、スコットランドは2年間の現地有給インターンシップができるようになりました。